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絵を飾るなら、絵の回りの空間そのものを作るように配置や、高さを工夫することが大事。白い壁に1点ポツリと掛けた方が素敵な場合もあるし、小さな作品なら、チェストの上に立てかけても。ただし、あまり回りに無駄なものを置かず、あくまで絵が主役になるように。
座ったときの目線の高さ、窓からの日の入り具合なども、絵を掛ける際のポイントになります。こうじゃなきゃダメという決まりはありません。仮り留めをして、ちょっと遠目から眺めてみながら、自分にとってのベストポジションを探すといいと思います。
1枚の絵は、額装によっても印象ががらりと変わります。
金縁の額に入れた場合と、古い色あせた木製の額に入れた場合では、「これが同じ絵?」と思うぐらい見え方が違います。絵を買うと、そのギャラリーで額装まで請け負ってくれることもあるし、額装だけを業者に頼むこともできます。
料理家の行正り香さんのご自宅に取材に行った時、たくさんの絵が飾られていました。額は、業者に頼んだものを、そのままだと金ピカすぎるので、自分でヤスリをかけたりして、あえて使いこんだ風合いに変えていると伺いました。お気に入りの額を見つけることは、絵を探すとの同じぐらい大切なことです。
いきなり絵を買うよりも、もう少し手が出しやすいのが小さなオブジェです。ガラス、焼き物、木、布。いろいろな素材でアーティストの手から生み出されたものは、力強さと美しさの両方を兼ね備えているような気がします。
何を美しいと感じるかは、人それぞれ。
作品を、部屋の片隅に置いて、毎日眺めていると、それを生み出したアーティストが、何を美しいとしたのかが、少しずつ伝わってくるような気がします。
忙しい毎日の中で、朝、出かける前にしばらく心を静かにして、コーヒーを飲む。夜、お風呂から上がって、ほっと一息ついて、ソファに座って一休みする。
そんな視線の先に自分が選んだ絵やオブジェがあると、いつもの生活の場なのに、そこにある時間がとても贅沢になった気がします。

インテリアライター 一田憲子
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